認知行動療法研究
Online ISSN : 2433-9040
Print ISSN : 2433-9075
資料
新型コロナウイルス感染症パンデミック下の心療内科プライマリーケアにおける遠隔認知行動療法の導入から見えてきたもの
熊野 宏昭富田 望仁田 雄介小口 真奈南出 歩美内田 太朗武井 友紀榎本 ことみ梅津 千佳
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 47 巻 2 号 p. 139-151

詳細
抄録

パンデミック下の心療内科プライマリーケア施設において、遠隔認知行動療法を導入したプロセスについて報告する。対面カウンセリングからの移行に要した期間は1カ月余と比較的短期間であったが、これには留意点をまとめた文献と使い慣れたWeb会議ツールZoomの活用が有用であった。6カ月弱で22例が導入され、延べ92回のカウンセリングが実施されたが、診断、支援技法の内訳は対面時と同様であった。中断ケースはなく、昨年度の同時期よりも継続率は高かった。患者の満足度は昨年度と変わらず、主担当・副担当から見た支援の質では、デメリットよりもメリットに関する報告が多かった。修士課程1年生の陪席実習の結果では、同席して直接体験することによる効果は非常に大きく、今後の臨床実習の新しい形としても注目すべきであると思われた。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本認知・行動療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top