本研究の目的は、アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づく管理職向け集団プログラムの効果を検討することであった。管理職58名に対して、1回90分の全3セッションから構成される集団プログラムを実施した。ベイズ的アプローチにより、主要評価項目として組織単位の仕事のパフォーマンスの前後比較を行ったところ、分析対象となった18組織においてパフォーマンスの向上は見られず、仮説を支持しなかった(EAP(expected a posteriori)推定値=−0.19[95%最高密度区間−0.53, 0.17])。一方、プロセス指標として管理職個人の心理的非柔軟性を補足的に示したところ、分析対象となった27名において心理的非柔軟性の低下の傾向が見られ、確信区間に0を含むものの、仮説の方向を支持した(EAP推定値=−1.02[95%確信区間−2.11, 0.09])。また、副次的評価項目では組織単位の周囲のサポート、個人のリーダーシップ行動の増加の可能性が示された。
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