油化学
Online ISSN : 1884-2003
ISSN-L : 0513-398X
Ni(II)イオン交換ゼオライト13Xを触媒とするパームステアリンの反応
炭化水素の生成
Tian Lye OOIAugustine Soon Hock ONG窪田 安彦椎名 久子間室 秀夫中里 敏
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1986 年 35 巻 5 号 p. 354-358

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抄録

パーム油をジーゼル燃料に変換する一つの可能なルートとして, 表題の反応について検討した。表題の反応をパームステアリン30g及び触媒0.5gを用い260℃, 100ml/minの流速で空気を吹き込みながら行った。生成する揮発物を液体窒素で冷却したトラップで捕集し, その成分を分析した。また, パームステアリン脂肪酸の変換率を求めた。さらに, Ni (II) イオン交換の反応に及ぼす効果をみるため, 反応中に発生する非凝縮性ガスの分析を行った。ガスクロマトグラムに現れた溶媒ピークを除く主要なピークはすべて同定することができた。揮発物の収率は68%で, その成分は炭化水素, カルボン酸, 及びアルデヒドの各同族列, その他に分類された。炭化水素同族列が揮発物の60%を占め, その主成分はペンタデカンであった。パームステアリン脂肪酸の他の物質への変換率は52%であった。ガス分析の結果によれば, Ni (II) イオン交換は二酸化炭素発生に関し異なった触媒機能を新たにゼオライト13Xに付与するように思われる。

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