1999 年 39 巻 3-4 号 p. 129-139
本研究の目的はさまざまな「生命」を類別する階層が「生命尊重」の見方にどのように,そしてなぜ影響を与えるのかを明確にすることである.
はじめに,さまざまな観点から小学校から高校までの理科の教科書を分析した.その結果として,そしてそれらの「生命」が使用される「生命」の種類,理科の中で教材としてどのように殺されるかが明確になった.次に,生命倫理,環境倫理,そして動物の権利論を基に鈴木(1996)が開発した「生命」の5つの視座から,「生命尊重」という観点から典型的な3つの「生命」(魚,虫,植物)の間の違いを明確にした.
結論として,(1)「生命」が我々とより似ているとき,(2)我々が感じとる限りにおいて,「生命」が苦痛を感じるとき,(3)我々が「生命」を個々に認識できるとき,我々は「生命尊重」として配慮するのである.しかしながら,(1)から(3)に対応しない「生命」は野外から採集されるときにのみ種の保存という立場から「生命尊重」が配慮されるのである.