コミュニケーション障害学
Online ISSN : 1884-7048
Print ISSN : 1347-8451
ISSN-L : 1347-8451
第31回 日本コミュニケーション障害学会学術講演会 特別講演1 嚥下障害の見方
巨島 文子
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 22 巻 3 号 p. 185-189

詳細
抄録
嚥下とは「食事」という日常の大きな楽しみを支える機能である.嚥下・咀嚼・呼吸運動は一定のパターン・リズム運動であり連動している.また,嚥下は食塊運搬機能と咽頭内異物排除機能の2つの機能をあわせもち,気道を防護して呼吸器感染症を予防する.このため嚥下障害は感染症罹患率や栄養状態に関わり予後を決める重要な因子である.嚥下動態を把握し,原疾患や全身状態にあわせて病態に即した訓練を選択し,適切な食事療法を行い,食事の楽しみを与える工夫をすることが重要である.嚥下訓練中には呼吸リハビリテーションなどの誤嚥予防や栄養管理なども考慮し,訓練の後には手術療法にも目を向ける必要がある.脳血管障害では病巣別に球麻痺と偽性球麻痺に分類してスクリーニングや検査の方法を施行し,嚥下動態に即したアプローチを行うと効率的である.
著者関連情報
© 日本コミュニケーション障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top