抄録
症例は60歳台,男性.平成25年7月腹痛,黒色便を主訴に近医を受診し,右下腹部に巨大腫瘤を触知した.CTにて巨大腹腔内腫瘍を認め,精査加療目的で当院紹介となった.
上部消化管内視鏡検査所見で十二指腸下行脚に瘻孔がみられ,瘻孔を通じて広範囲に広がる潰瘍性病変を認め,生検でGISTと診断された.CTおよびMRI検査所見からは瘻孔形成を伴う巨大小腸GISTが疑われ,PET-CT検査所見では腹膜播種や遠隔転移を認めなかった.出血・発熱も伴っていたので手術を施行した.術中所見で腫瘍は膵および上行~横行結腸に浸潤が疑われ,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術+拡大右半結腸切除術を行った.腫瘍の大きさは19×14×11.5cmで摘出標本は2,800gであった.病理組織診断は結腸浸潤を伴う十二指腸原発GISTと診断された.
今回,瘻孔を形成した巨大十二指腸GISTの1例を経験したので報告する.