日本外科系連合学会誌
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症例報告
Upside Down Stomachを呈した食道裂孔ヘルニアの1例
村田 竜平小林 展大渡辺 義人越前谷 勇人
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2019 年 44 巻 2 号 p. 203-208

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抄録

症例は77歳,女性.以前より画像検査にて食道裂孔ヘルニアを指摘されていたが,症状が軽いため経過観察となっていた.その後,飲み込みにくさが持続するために手術を希望され,待機的に腹腔鏡下ヘルニア修復術を行う方針となった.術前の造影CT検査では,胃が間膜軸性(短軸性)に軸捻転し,前庭部および体下部が食道裂孔から縦隔内に逸脱してUpside Down Stomachを呈していた.腹腔鏡下に逸脱した胃を整復し,連続縫合よるヘルニア門閉鎖とNissen噴門形成術を行い,術後18カ月経過した今も再発は認めていない.食道裂孔ヘルニアは中高年の女性に好発する,比較的頻度の高い疾患である.しかし,軸捻転を生じた胃が縦隔内に逸脱するUpside Down Stomachを呈するものは稀であり,致命的状況になる可能性があることから,早期の治療介入が必要である.また,高度な逸脱症例でも腹腔鏡下の整復が可能であり,有用であった.

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© 2019 日本外科系連合学会
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