日本外科系連合学会誌
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症例報告
膵胃吻合再建を伴う膵頭十二指腸切除術後に発生した早期胃癌の1切除例
鯨岡 学浅井 浩司渡邊 良平斉田 芳久榎本 泰典草地 信也
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2019 年 44 巻 2 号 p. 209-216

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抄録

症例は70歳,男性.慢性膵炎の経過観察中,膵頭部に分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)を認めた.囊胞径および,内部に充実性成分を有することから手術適応と判断し,膵胃吻合を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織学的検査結果は,膵管内乳頭粘液性腺腫であった.術後2年後に施行した上部消化管内視鏡検査で胃体中部後壁に約30mm大の粘膜下腫瘍様0-Ⅰ型腫瘍を認め,生検にて,腺癌と診断された.上部消化管内視鏡所見およびCTにて膵胃吻合と0-Ⅰ型腫瘍は正常粘膜を介在して3cm程度離れていることから残胃癌と診断し胃局所切除術を施行した.膵手術後5年,胃手術後3年が経過したが再発なく経過観察を行っている.膵頭十二指腸切除術後の長期生存が期待できるIPMN症例では,残胃に新たな異時性重複癌が発生する症例も報告されているため,術後は残胃に対する慎重な経過観察が重要であると考えられた.

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© 2019 日本外科系連合学会
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