日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
症例報告
局在診断に難渋した膵インスリノーマの1例
北野 悠斗宮下 知治杉本 優弥牧野 勇田島 秀浩伏田 幸夫太田 哲生
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 44 巻 2 号 p. 312-318

詳細
抄録

インスリノーマには局在診断が困難な症例があり,多発病変も少なくない.局在診断に難渋した膵インスリノーマの1切除例を経験したので報告する.患者は37歳女性.発汗過多および意識障害を契機にインスリノーマと診断されたが,画像検査では病変を指摘できなかった.選択的動脈カルシウム負荷試験を行ったところ,脾動脈流域および胃十二指腸動脈から分岐する横行膵動脈流域でインスリン値の上昇が見られ,病変は背側膵領域に存在すると考えられた.手術は膵体尾部切除術を行った.標本の摘出と同時に血中インスリン値の低下および血糖値の上昇を認め,病変が切除できたことを確認しえた.病理所見から,機能性膵内分泌腫瘍(G1,insulinoma)と診断した.本症例では,選択的動脈カルシウム負荷試験により病変が背側膵領域に存在することが推定できた.また病変切除の指標として,術中インスリンモニタリングが有用であった.

著者関連情報
© 2019 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top