2020 年 45 巻 1 号 p. 86-90
症例は76歳女性.心窩部痛,嘔吐を認め前医受診.レントゲンで腸閉塞を疑われ,当院受診となる.CTで右胸腔への胃と横行結腸の脱出を認め,Morgagni孔ヘルニアと診断された.腹腔鏡下に脱出臓器を還納し,ヘルニア門をSymbotex™ composite meshを用いて閉鎖した.術後に残存ヘルニア囊に水腫形成を認め,炎症所見と呼吸器症状を認めたため,経皮経肝横隔膜経由でドレーン留置を行った.その後,速やかに炎症所見と呼吸器症状の改善を認めた.本疾患に対する腹腔鏡下手術は簡便かつ低侵襲であり,有用な方法であるが,水腫や血腫形成が循環呼吸器系への影響を及ぼす可能性があり,症例によってはドレナージなどの対応が必要であると考えられた.