日本外科系連合学会誌
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症例報告
門脈合併切除併施膵頭十二指腸切除術において脾静脈再建を施行した1例
東松 由羽子吉岡 伊作田中 伸孟渋谷 和人平野 勝久渡辺 徹澤田 成朗奥村 知之長田 拓哉藤井 努
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2020 年 45 巻 2 号 p. 146-153

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抄録

症例は61歳の男性で,高血圧などで近医通院中であった.以前より主膵管拡張を指摘されており,定期フォローの腹部CTにて膵頭部癌が疑われたため当院に紹介となった.腹部ダイナミックCTにて膵頭部に約20mm大の境界不明瞭な病変を認め,上腸間膜静脈に約90度接していたが血管の変形を認めなかった.切除可能性分類がResectableの膵頭部癌(cT3cN0cM0 cStage ⅡA)と診断し,手術先行の方針とした.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(D2郭清),脾静脈合流部を含めた門脈合併切除術を施行した.脾静脈を再建する方針として,合流部から約50mmにわたり膵実質から剝離した.脾静脈を合流部で切断し,脾静脈中枢端を左腎静脈前壁に端側吻合した.血管吻合時間は24分であり,再建のために要した時間は両血管の遊離も含めて約1時間であった.術後経過は良好であり,血小板などの血球減少や血栓症は認めずに退院となった.退院後も脾腫や血球減少などの左側門脈圧亢進症の所見は認められていない.

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© 2020 日本外科系連合学会
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