日本外科系連合学会誌
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症例報告
鼠径ヘルニアとの鑑別に苦慮した精索脂肪腫摘出後に発症した精索脂肪肉腫の1例
中村 雅憲大澤 尚志栂野 真吾青松 敬補
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キーワード: 脂肪肉腫, 精索, 脂肪腫
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2020 年 45 巻 2 号 p. 154-160

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抄録

症例は68歳男性.右鼠径部膨隆にて当院外来受診.右鼠径ヘルニアと診断し,2015年10月に手術を施行.全身麻酔下に腹腔鏡下手術を施行したが,ヘルニア囊と考える陥凹部分を認めなかった.右鼠径部腫瘤と診断を改め,腹壁側からのアプローチに切り替えた.精索周囲に脂肪様の黄色腫瘤を認め,精索を温存しつつ周囲脂肪組織ごと腫瘤を切除した.病理組織検査により脂肪腫と診断した.その後,2016年11月頃より再度右鼠径部膨隆を認め,2017年2月に当院外来再診.右精索脂肪腫再発と診断し,2017年3月に手術を施行.腰椎麻酔下に腹壁側よりアプローチした.精索周囲に大小様々な腫瘤を認め,右精索脂肪腫再発と診断した.精索や陰囊を温存しつつ腫瘤および周囲脂肪組織は全て摘出した.病理組織検査により高分化型脂肪肉腫と診断した.その後半年毎に定期検査をしているが,術後2年半再発は認めていない.今回われわれは精索脂肪腫摘出後に発症した精索脂肪肉腫の比較的稀な1例を経験したので報告する.

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