日本外科系連合学会誌
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症例報告
食道裂孔ヘルニアを合併した胃軸捻転症に対して腹腔鏡下胃固定術を施行した1例
正見 勇太加藤 憲治中橋 央棋春木 祐司藤永 和寿谷口 健太郎
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2020 年 45 巻 4 号 p. 338-344

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抄録

胃軸捻転症は胃の捻転により通過障害をきたす稀な疾患である.今回われわれは食道裂孔ヘルニアを合併し繰り返す胃軸捻転症に対し腹腔鏡下胃固定術が有効であった1例を経験したので報告する.患者は84歳女性.ここ半年間で3回胃軸捻転症を発症し,保存的治療にて軽快している.今回嘔吐を主訴に来院し,CTにて食道裂孔ヘルニア,短軸性胃軸捻転を認めた.内視鏡的に捻転を整復後一旦退院するも,その3日後に胃軸捻転が再燃したため,腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア根治術,胃固定術を施行した.混合型食道裂孔ヘルニアに対し,開大した食道裂孔を縫縮し,さらにToupet法(後方約3/4周性)にて噴門を形成した.胃体上部大彎から噴門形成部左側を左横隔膜下に4箇所,噴門形成部右側を右横隔膜脚に1箇所結紮縫合し,胃を固定した.合併症はなく術後14日目に退院し,術後7カ月で再発は認めていない.胃軸捻転症に対する腹腔鏡下胃固定術は低侵襲で有効な治療法と考えられた.

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© 2020 日本外科系連合学会
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