2021 年 46 巻 2 号 p. 138-147
症例は59歳女性.十二指腸腺腫術後のサーベイランス中に便潜血陽性,CEA上昇を認めたため精査を行ったところ虫垂癌cT4N0M0 cStage Ⅱと診断し,腹腔鏡下回盲部切除術+D3郭清施行の方針となった.術中腹腔内を観察すると広範囲に腹膜播種を認めたため根治切除は困難と判断した.腹腔鏡下回盲部切除術+D2郭清を施行後に全身化学療法の方針となった.病理診断は虫垂杯細胞カルチノイド,T4a,N1b(2/7),H0,P3,M1b,pStage ⅣBであった.mFOLFOX6+Panitumumabによる全身化学療法の方針となった.オキサリプラチンによる末梢神経障害のため途中FOLFIRI+Panitumumabにレジメンを変更し,544日間化学療法を継続したが,術後620日目に腸閉塞による消化管穿孔を認め,緊急手術を施行した.以降本人希望にて化学療法を中止しBSCの方針とし,初回術後830日目に死亡した.切除不能GCCに対して本邦でPanitumumabの使用報告は1例あるが,1st lineでの使用は本症例が初であるため,その使用経験について報告する.