日本外科系連合学会誌
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症例報告
迅速病理診断をもとに腹腔鏡下楔状切除術を施行した上行結腸神経鞘腫の1例
田村 真弘河野 眞吾茂木 俊介本庄 薫平河合 雅也石山 隼杉本 起一髙橋 玄小島 豊坂本 一博
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2021 年 46 巻 2 号 p. 148-153

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抄録

症例は70歳代の女性.近医で潰瘍性大腸炎のため経過観察されていた.下部消化管内視鏡検査を施行したところ,潰瘍性大腸炎は寛解期であったが上行結腸に20mm大の粘膜下腫瘍が認められ,精査加療目的に紹介となった.超音波内視鏡検査では第4層に20mm大の均一な低エコー領域が認められた.造影CT検査では20mm大の造影効果のある腫瘤陰影を上行結腸(肝彎曲部)に認めた.その他,周囲リンパ節腫大や遠隔転移は認められなかった.上行結腸粘膜下腫瘍の鑑別としてGIST,平滑筋腫,神経鞘腫,神経内分泌腫瘍などを考慮し,腹腔鏡下結腸楔状切除術を施行した.術中迅速診断では神経鞘腫の診断で,悪性所見は認められなかった.術後の病理検査では,紡錘形細胞の増殖を認め,免疫染色ではc-kit陰性,CD34陰性,SMA陰性,S-100蛋白陽性であり,最終的に上行結腸神経鞘腫と診断した.大腸原発の神経鞘腫は極めて稀であり,本疾患について若干の文献的考察を加えて報告する.

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