日本外科系連合学会誌
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症例報告
魚骨消化管穿通から長期間を経て腹壁膿瘍を形成し,軟線撮影により完全切除しえた1例
關口 奈緒子, 上田 正射, 池永 雅一, 堺 貴彬, 高 正浩, 家出 清継, 津田 雄二郎, 中島 慎介, 谷田 司, 松山 仁, 遠藤 俊治, 山田 晃正
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キーワード: 魚骨, 腹壁膿瘍, 軟線撮影
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2021 年 46 巻 4 号 p. 514-521

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抄録

症例は80歳代女性で,腹部の皮下腫瘤を自覚し当院を受診した.来院時,皮下腫瘤部のみ発赤と疼痛・熱感を認め,圧迫で排膿を認めた.血液検査ではCRP 14.6mg/dLと炎症反応の上昇を認めた.腹部CTでは発赤部直下腹壁内に1.7cmの線状の高吸収域を認め,1年前のCTでは同様の異物を腹腔内に認め,腸管内異物が腹壁へ穿通したことによる腹壁膿瘍と診断した.全身状態は良好であり,切開排膿・抗生剤治療後に待機的に異物摘出術を行った.エコーで異物の位置を確認し,下腹部正中切開で開腹した.腹壁に大網の癒着を切離し異物を視認できたため,把持し摘出した.異物は1cmと術前の画像で認めた異物より短径であり,遺残が疑われた.周囲の腹壁と大網を含めて追加切除し,軟線撮影で標本内に7mm大の高吸収異物が含まれていることを確認した.魚骨穿通による腹壁膿瘍は稀であり,軟線撮影により遺残なく完全切除が可能であった症例を経験したので報告する.

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© 2021 日本外科系連合学会
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