日本外科系連合学会誌
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治療成績からみた腹膜播種性転移陽性胃癌71手術例の検討
中島 一彰落合 武徳鈴木 孝雄軍司 祥雄菱川 悦男菅谷 睦磯野 可一
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1996 年 21 巻 6 号 p. 962-965

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抄録

1983年からの10年間で71例の腹膜播種性転移陽性胃癌の手術を経験した。43切除例の1年および5年生存率は29.3%, 0%であったが, 28非切除例の1年生存率は0%であった。非切除例の直死率は, 21.4%と切除例の0%と比較して高率であった。また, P1, P2, P3切除例の3年生存率はそれぞれ5.3%, 0%, 0%であった。P1症例のうちリンパ節転移がn1以下症例の3年生存率は14.3%であったが, n2以上では0%であった。4年8カ月生存した1例はP1H0n0t3であり, 術後に補助化学療法 (FAP) が行われ, 再発に対し右半結腸切除が行われた症例である。また, P2症例で2年10カ月生存が得られた1例には術後全身的化学療法に加えCDDP腹腔内投与が施行された。

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