抄録
固有筋層浸潤大腸癌 (以下大腸mp癌) の生物学的悪性度を客観的に評価できる指標について検討した。再発には, 臨床病理学的因子の関与が認められなかった。そこで, 大腸mp癌41例を対象としてmp層の腫瘍の浸潤様式から生物学的悪性度を検討した。方法は最深先進部の標本でmp層径/m層径 (以下mp/m比) を算出し, 再発, 病理学的因子およびp53, Ki-67との関連を検討した。 (1) mp/m比は再発の有無で差を認めなかった。 (2) 再発指数としてmp/m比0.68を算出すると, 0.68以上の症例で再発例が有意に多かった。 (3) p53陽性例は再発例で有意に多く, Ki-67L.I.は再発例で高値を示した。 (4) mp/m比0.68以上の症例ではp53陽性例が有意に多く, Ki-67L.I.は高値を示した。以上より, mp/m比は大腸mp癌の腫瘍の浸潤様式を客観的に数値で表し, 悪性度の指標として用いることができ, mp/m再発指数0.68以上の症例は再発の可能性が高いことが示唆された。