日本外科系連合学会誌
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直腸生検病理組織所見からみた成人期Hirschsprung病および類似疾患の診断
富田 凉一宗像 敬明黒須 康彦
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1996 年 21 巻 6 号 p. 975-979

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抄録

成人における機能性腸疾患には, Hirschsprung病 (H病と省略) およびその類似疾としてのhypoganglionosis (Hypoと省略), intestinal neuronal dysplasia (INDと省略) などが存在するが, それらの確定診断は直腸粘膜生検のacetylcholinesterase (AChE) 染色あるいは直腸全層生検のhematoxylin-eosin (H-E) 染色, NADPH-diaphorase染色でなされる。そこで, 過去16年間に教室で経験した成人機能性腸疾患9例に行われた直腸粘膜および全層生検について検討を行い, 以下の結果を得た。1) H病 (2例) とIND (2例) では, 全例が直腸粘膜生検 (AChE染色法) のみで診断された。2) Hypoでは全例 (5例) が, 直腸全層生検を行うことにより診断された。

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