1999 年 24 巻 5 号 p. 750-754
治癒切除結腸癌221例を対象にリンパ節転移の部位と程度, 再発形式, 予後などを検討し合理的な切除法について考察した。転移はn0152 (72.4%), n132 (15.2%), n220 (9.5%), n36 (2.9%) で深達度mp以上にみられ, 占居部位による差はなかった。n2以上の転移部位はn2では考結腸n1, n2と中間リンパ節n2に認められた。n3は旁結腸n1, n2, 中間リンパ節n2, 主幹動脈根部n3で, 旁結腸n3に転移はなかった。転移と郭清度はn<Dは94.1%, n=Dは5.9%で, 再発率は各々18.8%, 23.1%でn=Dに高いが有意差はなかった。また, 転移度別の再発率はn017%, n123.5%, n227.3%, n316.7%と有意差はなかった。主な再発形式は血行性6.8%, 腹膜5%, 血行性+腹膜2.3%などであり, リンパ系の転移は2.3%のみでリンパ節転移度と郭清度との関連は認めなかった。従って, 切除範囲は主幹動脈に沿う郭清を充分に行い, 腸管軸方向はD2の範囲で良い可能性が示唆された。