日本外科系連合学会誌
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原発性副甲状腺機能亢進症の副甲状腺摘出術に対する術中迅速intact PTH assayの有用性
佐々木 裕三高見 博池田 佳史高山 純一栗原 英子
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2002 年 27 巻 1 号 p. 16-19

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抄録

画像診断の進歩により原発性副甲状腺機能亢進症の治療は腫大腺のみの摘出術が行われるようになってきたが, 多発腺腫や異所性腺腫よる腫大副甲状腺の遺残の問題がある。著者らは術中迅速intact PTH測定を行い, 腫大腺遺残を防止する確実で低侵襲な副甲状腺摘出術を試みた。対象は原発性副甲状腺機能亢進症14例 (単腺腫大12例, MEN1型1例, double parathyroid carcinoma1例) である。方法はchemiluminometric immuno assay (CLIA) 法にて行った。測定ポイントは麻酔後の術前値, 摘出直前値, 摘出後5, 10, 15, 45分値とした。12例の単腺腫大例は, 摘出後15分以内に術前値の50%以下に漸減し, 45分値までに正常域に復した。MEN1型例は腫大した4腺摘出後に, double parathyroid carcinoma症例では2腺摘出後に初めて正常域に達した。術中迅速intact PTH測定により, 腫大腺遺残の有無を術中に確認でき, 確実な手術が行えると考えられる。

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