日本外科系連合学会誌
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男性におけるrectoceleの検討
富田 涼一池田 太郎藤崎 滋柴田 昌彦丹正 勝久福澤 正洋
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2002 年 27 巻 2 号 p. 224-228

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抄録
排便障害を主訴として来院した男性71例にdefecographyを行った。その結果, rectoceleを伴う症例は8例 (A群 : 15~73歳, 平均48.6歳), 伴わない症例は63例 (B群 : 28~74歳, 平均52.6歳) であった。A群はB群より明らかに, 残便感, 手術既往 (前立腺摘出術, 低位前方切除術, 痔核切除術), 直腸壁と骨盤底筋群の異常, などを多く認めた。よって, 男性のrectoceleの成因には, 前立腺切除, 手術操作による骨盤底筋群や直腸周囲支持組織の脆弱化などの関与が考えられた。しかし, rectoceleは2cm以下と小さく, その他の直腸壁異常と骨盤底筋群異常とを認めたことから, 残便感の原因とは考えにくかった。
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