抄録
症例は65歳,男性.57歳時より全身性エリテマトーデスのためプレドニゾロン内服を開始,61歳時に抗リン脂質抗体症候群 (APS) を指摘されワーファリン内服を開始されていた.2005年11月,急性心筋梗塞を発症し対角枝の閉塞を認め同部にステント留置を行い再開通した.2006年6月に施行された CAG で対角枝 stent 留置部の閉塞,心エコー, LVG で瘤内血栓を伴う嚢状の巨大左心室瘤を認め,手術目的に当院紹介となった.術中,心膜と心室瘤との強固な癒着を認め,癒着剥離後人工心肺確立,大動脈遮断後左心室瘤を切開した.瘤内の壁在血栓を除去したのち Hemashield patch を用いて左室形成術を施行した.病理組織学的には真性瘤であった. APS 合併症例に対する開心術は高い死亡率が報告されているが,周術期の抗凝固療法に注意することで合併症なく経過し軽快退院となった.