日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
大動脈弁置換術後に右室内疣贅を伴う大動脈-右室瘻を発症した感染性心内膜炎の1例
熊野 浩春藤 啓介山口 明満
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2011 年 40 巻 2 号 p. 66-68

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抄録
症例は74歳,女性.大動脈弁狭窄症に対して生体弁を使用した大動脈弁置換術を施行し,その7カ月後に発熱にて入院となった.入院時の血液培養でメチシリン感受性Staphylococcus aureusが検出され,入院経過中の心臓超音波検査で大動脈弁位人工弁には異常が見られなかったが,人工弁より末梢側の大動脈から右室への短絡血流と右室流出路内の疣贅を認めた.感染性心内膜炎(IE)の診断で手術を施行したが,前回の大動脈切開縫合閉鎖部の大動脈内腔から右室流出路への瘻孔と右室流出路内に巨大な疣贅を認めた.大動脈弁位人工弁ならびに肺動脈弁に異常は認めなかったため,疣贅の摘出,瘻孔の直接閉鎖ならびに馬心嚢膜パッチでの右室流出路欠損部再建にて手術を終了した.術後2年を経過した現在まで感染の再燃は認めていない.大動脈弁置換術後のIEによる大動脈-右室瘻は極めて稀な症例であり,文献的考察を加えて報告する.
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