日本心臓血管外科学会雑誌
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[大血管]
右鎖骨下動脈起始異常に合併した Stanford B 型急性大動脈解離に対してステントグラフト内挿術を行った1例
土田 隆雄吉田 正隆矢野 健太郎福本 仁志
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2016 年 45 巻 4 号 p. 205-210

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抄録

75歳男性.背部痛を主訴として救急搬送された.造影CTで右鎖骨下動脈起始異常(ARSCA)に合併した偽腔開存型のStanford B型急性大動脈解離(B型解離)を認めた.B型解離であり降圧,安静による保存的加療を行った.しかし発症後1カ月の造影CTにて偽腔の拡大を認め,また断続的な腹痛が持続していた.そこで遠位弓部のentry閉鎖およびARSCAの経路再建の目的で右総頸動脈-右腋窩動脈バイパスおよび胸部ステントグラフト内挿術(TEVAR),ARSCAのコイル塞栓を施行した.術後5日目の造影CTにて腹部偽腔の拡大を認めたため腹部ステントグラフト内挿術を追加した.これにより偽腔血流は消失した.ARSCAは先天性の弓部分枝異常である.交差する食道や気管の通過障害,近傍の大動脈瘤や解離,ARSCA自体の瘤化や破裂を合併することがあり,さまざまな術式が報告されてきた.ARSCAに合併したB型解離に対してde-branch TEVARによるARSCA経路再建および偽腔閉鎖は有用な手法であると考えられた.

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