日本心臓血管外科学会雑誌
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[成人心臓]
急性肺血栓塞栓症を合併した慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対して二期的手術を施行した1例
新美 一帆田中 恒有朝野 直城太田 和文齊藤 政仁権 重好石田 敬一高野 弘志
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2018 年 47 巻 3 号 p. 100-104

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抄録

症例は46歳男性.肺炎の診断にて他院で入院加療を受けていた.経過中に呼吸苦が増悪し,造影CTで肺動脈内に血栓像を認め,急性肺血栓塞栓症の診断で当院に救急搬送された.経胸壁心エコーで右房内に大きな浮遊血栓を認めたため同日緊急手術を施行し,右房と肺動脈内の新鮮血栓を除去したが,肺動脈内には広範に器質化血栓も認め,基礎に慢性血栓塞栓性肺高血圧症が存在していたことが判明した.肺動脈血栓内膜摘除術(Pulmonary endarterectomy : PEA)の器具の準備がなく,人工心肺から離脱困難であったため,経皮的心肺補助装置(Percutaneous cardiopulmonary support : PCPS)を装着していったん手術を終了した.術後もPCPSから離脱困難であったため,術後5日目にPEAを施行し,人工心肺から離脱可能となった.術後右心カテーテル検査では肺高血圧症を認めず,第22病日に独歩退院となった.

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