日本心臓血管外科学会雑誌
Online ISSN : 1883-4108
Print ISSN : 0285-1474
ISSN-L : 0285-1474
[成人心臓]
不全型ベーチェット病患者における大動脈基部置換術後の吻合部仮性瘤,感染性心内膜炎に対するホモグラフトを用いた大動脈基部置換術
後藤 拓弥黒子 洋介川畑 拓也衛藤 弘城小林 泰幸逢坂 大樹笠原 真悟増田 善逸
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 47 巻 3 号 p. 133-137

詳細
抄録

ベーチェット病を基礎疾患に持つ患者の大動脈弁手術は,術後高率に弁周囲逆流,弁動揺,そして吻合部仮性瘤を合併することが知られている.患者は37歳の男性で,大動脈弁置換術直後に高度な弁周囲逆流により基部置換術が行われ,その後も吻合部仮性瘤を繰り返し,経過中に不全型ベーチェット病と診断されステロイドによる加療が開始された.その後,ベーチェット病に対する免疫抑制療法導入中にStaphylococcus epidermidisによる菌血症をきたし,大動脈基部に吻合部仮性瘤が再燃した.6週間の抗生剤加療の後にホモグラフトによる大動脈基部置換術を施行し5年間,問題なく経過しているため報告する.

著者関連情報
© 2018 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top