2024 年 53 巻 3 号 p. 105-108
症例1:67歳,男性.労作時呼吸困難から収縮性心膜炎が疑われた.急速に進行しショック状態に陥り,経皮的心肺補助法下の緊急手術となった.ワッフル手技併施の心膜切除術を施行するが,循環動態の改善に乏しく,術後17日目に死亡した.術後病理検査で上皮型の悪性心膜中皮腫と診断された.症例2:69歳,女性.労作時呼吸困難から収縮性心膜炎が疑われた.手術目的で搬送中にショックとなり,心肺蘇生の後,経皮的心肺補助法を行った.多臓器不全の改善を待ち,ワッフル手技併施の心膜切除術を行うも,循環動態の改善に乏しく,術後2日目で死亡した.術後病理検査で肉腫型の悪性心膜中皮腫と診断された.