日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告 [大血管]
AFX2留置後4年経過でカフとメインボディが瘤内でuncouplingした症例に対する1治療例
上田 遼馬坪田 秀樹本田 正典工藤 雅文岡林 均
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2024 年 53 巻 6 号 p. 348-353

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抄録

Endologix社の腹部大動脈ステントグラフト(EVAR)システムAFXは,内骨格ステント構造を持つ独自のユニボディデバイスであり,腹部大動脈分岐部が狭小化した腹部大動脈瘤(AAA)の治療に適している.しかしType 3 Endoleak (T3EL)のリスクが指摘されており,中枢側にカフデバイスを使用する際は十分オーバーラッピング長を取るように推奨されている.症例は81歳男性.45 mmの腹部大動脈瘤に対してAFX2メインボディとカフを使用し,オーバーラッピング推奨長を遵守したEVARを施行した.しかし術後に瘤径が徐々に拡大し,術後4年後にメインボディとカフが完全に分離(uncoupling)した.経過CTを振り返るとメインボディとカフがおのおの尾側と頭側方向へマイグレーションしType 3a Endoleak (T3aEL) が生じていた可能性が考えられた.両者をbridgingするように追加デバイスを留置し,問題なく自宅退院した.AFXデバイスのメインボディとカフを使用した症例では,オーバーラッピング長さを十分確保した場合でも経過でsideways displacementが生じる可能性があるため慎重なフォローアップが必要である.特に3D再構築画像を用いたデバイスの変形観察は有用である.

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