日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告[成人心臓]
診断と治療選択に難渋した原発性肺動脈肉腫の2例
澤井 悠樹, 小林 由幸, 立石 実, 南 智行, 森 佳織, 鈴木 清貴, 孟 真, 齋藤 綾
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2026 年 55 巻 4 号 p. 176-179

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抄録

原発性肺動脈肉腫に対して診断と治療選択に難渋した2例を経験したので報告する.症例1:27歳男性.主訴は呼吸苦.造影CT検査で肺動脈血栓症が疑われ抗凝固療法開始となったが改善なく,PET/CT検査を施行したところ肺動脈腫瘍が疑われた.早期に手術を施行したが,術後2カ月で肺転移を認めたため化学療法を施行中である.症例2:47歳男性.主訴は労作時呼吸苦.単純CTで左上肺の浸潤影を認め,肺炎・胸膜炎の疑いで抗菌薬治療が施行された.その後も改善認めず,造影CT検査を施行したところ肺動脈腫瘍が疑われた.手術が検討されたが,術直前に造影CT検査を再度撮像したところ,腫瘍の拡大と肺転移所見を認めたため,根治手術不能と判断し化学療法の方針となった.いずれの症例も症状発現から診断に至るまでに時間を要しており,根治を得ることができなかった.長期予後を得るためには,腫瘍の完全切除が必須であり,そのためには早期診断治療と肺内転移に対する肺部分切除などの治療の検討が必要と思われた.

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