日本心臓血管外科学会雑誌
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右総腸骨動脈下大静脈瘻の一手術治験例
秦 絋岡部 学松岡 正紀牧野 茂行
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1995 年 24 巻 2 号 p. 130-132

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抄録

患者は74歳男性で, 腹部大動脈瘤を合併した右総腸骨動脈下大静脈瘻である. 2年前から腹部大動脈瘤と診断されていたが, その後下腹部の thrill を伴う連続性血管雑音と心不全症状および右下肢間欠性跛行が出現して動静脈瘻と診断された. 手術は瘤切除, 人工血管置換と瘻孔閉鎖を行い治癒した. 瘻孔閉鎖に際しすべての瘻孔への血流を遮断し, 手術は容易で, 出血も少なかった. 腸骨動脈瘤に合併する動静脈瘻は稀な疾患であるが, 確定診断がつきしだい, 早期に手術を行えば腹部大動脈瘤の手術と変わりがない.

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