日本心臓血管外科学会雑誌
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結合組織代謝異常症を伴う慢性A型解離性大動脈瘤3治験例
黄 義浩大久保 正星野 良平神垣 佳幸
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2001 年 30 巻 1 号 p. 51-54

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抄録
結合組織代謝異常症を伴う慢性A型解離性大動脈瘤3症例に対して, 一期的に Bentall 変法+上行弓部大動脈置換術を施行した. 症例は男性2人, 女性1人で, 年齢は37~48歳, Marfan 症候群が2例, cystic medial necrosis が1例であった. 全例大動脈弁輪拡張症 (AAE) と高度な大動脈弁閉鎖不全症 (AR) を有し, 大動脈基部および弓部の著明な拡大と広範な解離病変を認めた. とくに結合組織代謝異常を伴う解離性大動脈瘤では, 血管病変が広範で進行性であることが多く, 術後に新たな血管病変や弁疾患をきたす可能性も高いため, 早期拡大手術の考慮, 再手術の可能性をふまえた術式選択とともに術後の慎重な経過観察が重要であると思われる.
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