2023 年 28 巻 2 号 p. 53-60
【目的】災害下の避難所生活者に対し、看護学生が実施可能な生活援助と課題について検討した。【方法】4年生過程の3年生以上を対象とし、「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」と「避難所運営マニュアル」の項目を、「看護師教育の技術項目と卒業時の到達度」の項目と比較検討した。【結果】1. 日常生活援助6項目34種類のうち10種類(29.4%)、診断・治療の援助4項目22種類のうち8種類(36.4%)、看護基本技術3項目15種類のうち8種類(53.3%)が、資料1・2と対応した。2. 資料1・2で実施困難な項目は、療養環境下で行われる看護技術と避難所運営・管理であった。3. 課題として臨地実習と避難所での環境の相違による影響が挙げられた。【考察】支援時には、事前に学生の知識と看護技術のレベルを確認し、支援後まで教員のサポートが必要である。【結語】教員の引率のもと十分な安全とサポートが配慮されたうえで看護学生は災害時に有用な人材となる可能性がある。