歯科材料・器械
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歯科用セメントの熱的性質に関する基礎的研究 : 粉液比の影響について
齊藤 仁弘井上 達也宮﨑 紀代美三野 元崇榊原 茂弘山口 メグム西山 實
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1992 年 11 巻 1 号 p. 17-22

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抄録

歯科用セメントの熱的性質に対する粉液比の影響を検討するために, 臨床で広く用いられているグラスアイオノマーセメントおよびカルボキシレートセメント4製品を用いて行った.測定はクセノン・フラッシュ法を用いて行い, 粉液比は0.8, 0.9, 1.0, 1.1, 1.2(P/L=1.0:メーカー指示)とした.その結果, 以下のようなことが判明した.熱拡散率(×10-2cm2s-1は, グラスアイオノマーセメントでは0.2119〜0.2992, カルボキシレートセメントでは0.2289〜0.3918を示し, 粉液比が大きくなるにしたがって増加した.比熱容量(Jg-1K-1)はグラスアイオノマーセメントでは1.0723〜1.2384, カルボキシレートセメントでは0.9927〜1.1238を示し, 粉液比が大きくなるにしたがって減少した.熱伝導率(Wm-1K-1)はグラスアイオノマーセメントでは0.5052〜0.7122, カルボキシレートセメントでは0.5526〜1.0775を示し, 粉液比が大きくなるにしたがって増加した.

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© 1992 一般社団法人 日本歯科理工学会
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