抄録
試作の白金-アンチモン系ろうおよび白金-パラジウム-アンチモン系ろうを用いて, アルゴン雰囲気下で赤外線加熱方式により, チタン棒の接合を検討した.接合部のSEM観察の結果, 試作ろうは母材表面によく濡れ, 良好な接合を得ることができた.金属組織の観察およびEPMA分析の結果, 接合界面に中間合金層を生成していることが認められた.試作の白金ろうで接合した試験片の引張強さは, 市販のチタン系ろうで接合した試験片のそれよりも有意に小さかった.これらの所見より, 試作の白金ろうの適用は荷重負担のない部位に限定されると考えられた.