歯科材料・器械
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原著
歯科鋳造用Au-Co-Ni系磁性合金の研究(第2報)
原 正明
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1984 年 3 巻 6 号 p. 780-786

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抄録
前報では, 新しい歯科鋳造用磁性合金の組成として, Au-Co-Ni3元合金について検討し, その磁気特性, 融点, 機械的性質及び耐食性について報告した.その結果, Au-Co-Ni 3元合金は, 耐食性及び鋳造時の湯流れに問題を残したが, その他の性質は良好であった.本報では, これらの問題を解決する目的で, パラジウム, クロム及びシリコンの添加を行ない, 前報と同様の項目について検討し, さらに, 実際のSm-Co磁石に対する吸引力を計測した.結論は以下の通りであった. 1. 15%パラジウムまたは2%クロムの添加により, 耐食性が改善された. 2. 0.2%シリコンの添加で, 湯流れが良くなり, 湯の溶け落ちが分かりやすくなった. 3. 実験試料の中では, 34.8Au-15Pd-30Co-20Ni-0.2Si, 47.8Au-2Cr-30Co-20Ni-0.2Si, 66.8Au-10Pd-14Co-9Ni-0.2Si, 74.8Au-2Cr-14Co-9Ni-0.2Siの各組成が, 歯科鋳造用軟質磁性合金として, 有望な性質を示した.
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© 1984 一般社団法人 日本歯科理工学会
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