2017 年 53 巻 6 号 p. 214-224
本研究では,ドライバエージェントの受容性を明らかにする為に,エージェントに対する主観的評価実験を行った.評価者は,高齢者を含む幅広い年齢である.評価するエージェントは「音声」「映像」「ロボット」の3種類の形態である.エージェントに対する評価の結果,「親しみを感じる」等の評価項目では,高齢層と非高齢層に共通して,ロボットエージェントの評価が高かった.また,「邪魔だと思う」等の評価項目では,音声・映像よりも,ロボットエージェントの評価が低かった.このことから,ロボットエージェントは受容性が高く,阻害要因になりにくいと考えられる.また,ドライバエージェントを繰り返し使用することで,評価結果が変化したことから,継続利用の影響も示唆された.今後の研究課題として,最も受容性の高かったロボットエージェントを対象とした運転後の行動変容や長期利用に伴う変化等について検討が必要である.