抄録
図柄の印象や嗜好は, それを用いる人間やその図柄が使われる対象によって影響される. 本研究では, 図柄の印象や嗜好に影響を及ぼす人間側の要因として, 大学での専攻と個人の刺激欲求特性を取り上げた. 調査では, 77名の文科系大学生, 95名の理科系大学生, 96名の美術系大学生が直交分割図柄のイメージを評定することが求められ, 同時に刺激欲求特性が測定された. クラスター分析と主成分分析の結果, 美術系大学生は文科系, 理科系大学生に比べて, 分割間隔が急激に変化する図柄を好む傾向, 刺激欲求特性の高い者は低い者よりも, 動的で複雑な図柄を好む傾向が示された.