抄録
遠心ポンプをメインとしてローラーポンプを同時使用する脳分離体外循環では,操作ミスにより人工肺が陰圧となり,回路内に気泡が混入する危険性がある。そこで我々は模擬回路を作製し,リザーバー一体式人工肺,泉工医科工業社製メラNHPエクセランプライム(S社),JMS社製Oxia-LP(J社),テルモ社製CAPIOX-RX25(T社)を使用して,陰圧による気泡引き込みの実験を行った。模擬回路において,遠心ポンプにより人工肺に陽圧を負荷し,人工肺の出口側よりローラーポンプの流量を変化させた。このとき,人工肺の入口圧と出口圧を測定しながら,出口での気泡の有無を超音波気泡検出器でカウントした。その結果,3社の比較では,T社,J社,S社の順に気泡を引き込みにくかった。また,3社とも人工肺出口側の平均圧が陽圧であれば気泡を引き込まなかった。今回の実験より,回路内への気泡混入を防ぐ指標として,人工肺出口側の平均圧をモニタリングし陽圧を維持することで気泡の引き込みを防止することができると考えられた。