英国で開発された子どもを対象としたマインドフルネス・プログラム,.b(ドットビー)を日本の高校生22名を対象に実施し,質問紙による主観指標,毛髪による生体指標及び印象評価を通して効果評価を行った。プログラム実施前後で抑うつ,行為の問題が低下し,ウェルビーイングが向上し,2か月後も効果が持続した。またストレスホルモンとされるコルチゾールには変化がなかったが,抗ストレス作用のあるDHEA,レジリエンス指標とされるDHEA/コルチゾールが上昇した。マインドフルネスによってストレス反応そのものが減少するわけではないが,ストレスからの回復を促す中長期的な生体のレジリエンスが向上した可能性があると考えた。さらに,対象の86.4%がプログラムを肯定的に評価し,勉強やパフォーマンス向上,対人関係においてマインドフルネスが役立つと回答し,マインドフルネスを問題解決のスキル,自己理解の手段,将来の資源と捉えた。主観指標と生体指標両面において高い有効性が示唆され,本プログラムが思春期にある日本の子どもたちにインパクトを与え,人生にわたる心の資産となる可能性が示唆された。