本研究の目的は児童青年の援助要請認知,援助要請スキルを測定する尺度開発に向けて,COSMINチェックリストに基づいて信頼性(内的一貫性,再検査信頼性,測定誤差)と妥当性(構造的妥当性,測定不変性,構成概念妥当性の仮説検証)を検討することであった。小学4年生から高校3年生を対象とした4通りの質問紙調査を実施した。確証的因子分析の結果,援助要請認知尺度,援助要請スキル尺度のいずれも理論通りの因子構造が得られた。学校種と性別ごとの多母集団同時分析では,両尺度の測定不変性が支持された。小学生,中学生,高校生それぞれのデータ分析より,内的一貫性,再検査信頼性は十分な値が得られ,測定の標準誤差および最小可検変化量が示された。構成概念妥当性の仮説検証については,援助要請認知尺度,援助要請スキル尺度の仮説の75%以上が支持された。しかし,アンカーに基づく方法では反応性(応答性)は確認されなかった。本研究では両尺度ともに概ね十分な信頼性と妥当性が確認され,今後の課題として反応性(応答性)を検討することが挙げられた。