教育心理学研究
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原著
中学受験を経験した若年成人がとらえる中学受験の長所と短所
大橋 恵井梅 由美子藤後 悦子
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2026 年 74 巻 2 号 p. 65-79

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抄録

 受験は,子ども達やその家族にとって大きなライフイベントである。中学受験を「試練」ととらえ成長を感じる者もいる一方,年齢に見合わない勉強量や親の過干渉により,中学受験を否定的にとらえる者も一定数いる。受験を巡る言説は散見されるが,実証的研究は極めて少なく,中学受験を取り上げた心理学的な研究はほとんどない。本研究は,中学受験を経験した当事者が,社会に出た後に自らの経験をどのように意味づけしているのかに関し,25―39歳の男女536名の回答を分析した。その結果,自己成長や友人関係の向上,高いレベルの教育の獲得という肯定的影響と余暇時間不足や否定的な人格形成,精神的つらさという否定的影響が挙げられた。成績や受験結果が良い者ほど肯定的影響を強く感じており,否定的影響のうち性格への否定的影響やつらさを弱く認知していた。さらに中学受験を肯定的にとらえる者ほど学歴や生活程度が高かった。本研究は主観的なデータだという限界はあるものの,進学選択は重要な問題であり,今後も教育心理学の視点からの貢献が求められよう。

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