抄録
てんかん外科治療を受けた40名(発作消失群21名、発作残存群19名)を対象として、外科治療後の心理社会的変化、絶望感、手術への満足度について質問紙調査を行った。その結果、発作消失群は発作残存群よりもポジティブな心理社会的変化が多くみられていた。一方、発作消失群・発作残存群ともに一部の患者においてはネガティブな心理社会的変化が生じていた。外科治療後の心理社会的側面の変化は絶望感や手術への満足度に影響しており、心理社会的側面についての変化がポジティブであるほど絶望感が減少し、手術への満足度が上昇する傾向がみられた。外科治療後の絶望感を低減させ、手術への満足度を高めるためには手術後の心理社会的側面に対する支援を行うことが重要であると考えられる。