日本教育工学会論文誌
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学生が実験を自主的に進めるためのマルチメディア教材の開発と評価(<特集>ICTを用いた科学技術教育)
新井 加受子衣笠 治子伊藤 剛和
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2005 年 28 巻 3 号 p. 245-252

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抄録

実験室に無線LANノートパソコンを配備し,これによって,学生が自主的に実験を進める授業実践を行った.本研究では,その授業設計,進捗を管理する工夫,マルチメディア教材の開発,授業実践を行い,学生のアンケート調査からマルチメディア教材と進捗を管理する工夫が学習活動に与えた影響を分析し,次のことを確認した.(1)マルチメディア教材の利用は実験操作の理解を高める.(2)マルチメディア教材を実際に使用している時点ではその利用頻度が高いほど,授業の内容,方法,教材に対する評価が高い.(3)進捗状況調査表の活用は自主的実験を円滑に進めるための有効な手段である.(4)学習意欲の向上した集団と低下した集団の学生の主観的な理解度の変化を比較したところ,実験前の理解度に差はないが,実験終了時の理解度が学習意欲の向上した集団のほうが低下した集団よりも高くなっている傾向がある.

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© 2005 日本教育工学会
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