日本教育工学会論文誌
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早期公開論文
早期公開論文の9件中1~9を表示しています
  • 山野 大星, 小林 猛, 渡邉 秀樹, 井庭 崇
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47115
    発行日: 2024/12/20
    [早期公開] 公開日: 2024/07/24
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,全国の専門学校7校をオンラインで結び,1日間のオンライン建築設計実習「バイオクライマティックデザインによる住宅設計:設計コンセプトづくり」を研究授業として実施した.成果物のコンセプト・シートの採点及び授業前後の質問紙調査の結果を,専門学校2校の同様の内容の対面授業の結果と比較して分析を行なった.オンライン授業においても,対面授業の教員による学生のエスキス・チェックによる指導と同様に,学生が「行為の中の省察」を体験するために,オンライン授業で活用できるようにカード (トランプ) 化したパターン・ランゲージを利用した支援により,オンライン授業が対面授業と完全に同等ではないものの,近い効果を持つ可能性があることが明らかになった.本研究が,今後のコロナ禍等のような物理的な制約や健康上の懸念を乗り越え,効果的な学習結果を生むための新しい方法やアプローチの探究に寄与することを期待する.

  • 東南 裕美, 池田 めぐみ, 中原 淳
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47116
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/07/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究は,企業内ファシリテーターによるサーベイフィードバック型組織開発行動尺度を開発し,尺度の信頼性および妥当性を検証することを目的とする.サーベイフィードバック型組織開発行動とは,組織調査を行い,その結果をチームや職場にフィードバックすることを通じた組織開発行動のことを指す.先行研究や予備調査に基づき,50項目の項目案を作成し,民間企業に勤める企業内ファシリテーターへの質問紙調査を実施した (N=500).探索的因子分析の結果,「相互理解の促進」「的確な課題設定」「ボトムアップ型の計画策定支援」「配慮ある情報伝達」「話し合い時のプロセスの観察」の5因子36項目が抽出された.5因子に共通して影響を及ぼす高次因子「サーベイフィードバック型組織開発行動」を仮定した2次因子構造モデルについて, 構造的妥当性を検証した結果,適合度は良好であった.また,各因子の信頼性,基準関連妥当性が確認された.

  • 田中 理恵子, 向後 千春
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47038
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/06/10
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,コロナ禍が社会人の学び直しにどのように影響しているかを明らかにすることを目的とした.その結果,以下のことが明らかになった.(1)社会人は「自分の可能性と学習環境」,「学び直しと仕事への活用」,「友人と人脈の拡大」,「大学院進学と資格取得」を目的に入学していた.しかし,「友人と人脈の拡大」,「大学院進学と資格取得」は主な目的ではなく,副次的な要因であった.(2)社会人はライフイベントを経験することによって自分の内面を見直す機会となり,新しい人生を再構築するために大学に入学していた.(3)コロナ禍は,社会人の生活に時間的余裕を与え,学び直しを促進させている可能性が示唆された.女性にとっては,在宅勤務によって得られた時間的余裕を学習時間に充足できるようになったことで仕事と家庭の両立が可能となり,大学入学動機に繋がっていると考えられる.また,オンライン授業は,社会人のフレキシブルな学びが可能な重要な学習環境であることが示唆された.

  • 和久 友親, 田村 哲嗣, 川瀬 真弓
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 48004
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/05/30
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,学習者が学習した内容を各学習者の理解状態に応じて定着させるために,BERTとEmbedRank++といった人工知能技術・情報技術によって穴埋め・選択問題を自動生成し,理解度に合わせて出題するウェブシステム「AI道場」を開発した.本稿では,本システムの開発の内容と大学講義「多変量解析」において「AI道場」を利用した学習者へのアンケート調査結果を報告する.本システムの開発内容の有効性を確認するため,自動問題生成結果を理解度に応じて出題した場合と自動問題生成結果をランダムに出題した場合とで理解度に差異があるかを確認した.その結果,理解度に応じて出題した場合において学習者が自認する習熟度の向上が見られ,本研究のシステムが有効である可能性が示された.

  • 三和 秀平, 湯 立, 長峯 聖人, 海沼 亮, 外山 美樹
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47121
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/05/28
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究は大学生のテストに向けた学習場面に着目し,制御焦点に沿った方略を有効であると評価するのかを検証した.制御焦点理論で提唱される促進焦点または防止焦点の特徴を有した架空の人物を呈示し,その人物に対して様々な方略の有効性の評価を求めた.その結果,促進焦点の特徴を有した人物には熱望的な方略が,防止焦点の特徴を有した人物には警戒的な方略が,それぞれ有効であると評価される傾向にあり,大学生は制御適合理論に沿った方略が有効であるという知識を有していることが示唆された.ただし,予想通りの傾向がみられない方略もあったため,理論に合った判断がされる / されない方略の特徴については今後の検討が望まれる.

  • 勝又 あずさ, 河井 亨
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47084
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/05/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究の目的は,大学のキャリア教育へのキャリア構成理論の応用による,学生の自己構成プロセスを探索的に検討することである.対象の授業にキャリア構成インタビューを実装し,学生19名の授業8回の記述データをM-GTAを援用し分析した結果,5カテゴリー・21概念が生成された.学生は,授業のながれに沿って次の4つのカテゴリー,【1.LCへの問題意識と関心】,【2.経験の認識と納得】,【3.自己のLCの理解】,【4.自己の構成への展望】を往来しながら{内省活動による探索}を行い,随所で{相互作用による探索}が影響する『相互学習による自己構成』プロセスが示された.すなわち,本授業が企図したキャリア構成のながれ「構成・脱構成・再構成・共構成」の「脱構成」へと推移したことが確認された.「構成・脱構成」はキャリア構成の途上であり,低年次の学生のキャリア構成を支援するためには、教育(正課)と支援(正課外)の連動が重要であることが示された.

  • 大橋 均
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47050
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/05/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究は,学びのユニバーサルデザイン(Universal Design for Learning; UDL)の理論を踏まえた授業デザインをもとに,小学校算数科の授業を設計・実践し,効果の検証を行ったものである。その結果,児童はそれぞれの学習方法(一斉授業・一人学び・協同学習)の持つ良さを理解し,それらを選択することで,わかる,できるという実感を持ち始め,自らの学びの舵取りを試みる姿が示された。また,学習の理解を深めるために,同級生や教師に援助要請を出せる割合が高まることや,学力面では一時的に当該授業内の知識・技能に限り,その獲得を促す傾向等が示された。これらの結果から,本研究で用いた授業デザインが発達支持的生徒指導の場としての授業づくりの一助となる可能性が示唆された。

  • 山本 良太, 杉本 昌崇, 佐藤 智文, 平野 智紀, 石橋 純一郎, 山内 祐平
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47125
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/04/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究の目的は,特に教科担任制が敷かれる中学校において導入された1人1台端末の活用を支える教員を取り巻く教員コミュニティに着目し,その具体的な様相を明らかにすることである.そのために相対的に端末を高頻度に活用する中学校に所属する教員を対象としたインタビュー調査を行った.分析の結果,調査対象校では,①端末活用に向けた教員コミュニティの活動,②端末活用による新しい教室内コミュニティの創出,③校内のコミュニティの活動を支える環境,があることが分かった.さらに,④端末活用を支える校外からの援助,もまた教員の端末活用には重要であることも分かった.端末活用を支える中学校における教員コミュニティとは,これまでとは異なった様相となる可能性があり,教科による分業が生じやすい教員コミュニティをどのように変化させていくのか,また教員と生徒が共に成長する教室内コミュニティをどのように作り上げていくのか,という観点が今後重要となることが示唆された.

  • 荒木 淳子, 高橋 薫, 佐藤 朝美
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 47105
    発行日: 2024/07/20
    [早期公開] 公開日: 2024/04/05
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究の目的は,高等学校で探究学習を行った経験と大学での学び,キャリア探索との関連を明らかにすることである.全国の4年制大学1,2年生を対象にWebアンケート調査を実施し,高等学校での探究型授業経験と,大学でのキャリア探索,授業プロセス・パフォーマンス,ライフキャリア・レジリエンスとの関連を調べた.255名の回答を分析した結果,高校時代にSGH/SSHともに経験した回答者は環境探索の得点が有意に高く,SGH/SSHともに経験した回答者とその他の探究型授業をした回答者は探究型授業経験のない回答者よりも自己探索の得点が有意に高かった.一方,主体的な学習態度である授業プロセス・パフォーマンス,ライフキャリア・レジリエンスに有意な差は見られなかった.

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