日本教育工学会論文誌
Online ISSN : 2189-6453
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早期公開論文
早期公開論文の7件中1~7を表示しています
  • 後藤 崇志, 石橋 優也, 後藤 大樹
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: S44080
    発行日: 2020/02/20
    [早期公開] 公開日: 2020/06/26
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,小・中学生とその親を対象とした調査を行い,親の学習観と子どもの学習への取り組みとの間に関連が見られるかを検討した.具体的には,親が持つ学習観(経験的で深い学習観,学校依存で浅い学習観)と,子どもの達成目標(マスタリー目標,パフォーマンス接近目標,パフォーマンス回避目標)と学習アプローチ(深いアプローチ,浅いアプローチ)の間に関連が見られるかを検討した.その結果,親が経験的で深い学習観を持つほど,子どもは学習内容を知識と結びつけるような学習アプローチを取りやすいなど,親の学習観と子どもの学習への取り組みとの間には一定の関連が示された.

  • 古賀 竣也
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43086
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/06/01
    ジャーナル フリー 早期公開

    研究の目的は,統計的リテラシーにおける批判的思考態度の構造を明らかにすること,および統計的リテラシーのスキルに関係する批判的思考スキルは何かを明らかにすることである.まず,質問紙調査を実施し,「数値やデータへの関心」,「懐疑的・複眼的な見方」,「他者との関わり」の3因子から構成される態度に関する尺度を開発した.次に,統計的リテラシーのスキルを測定するテストと,複数の批判的思考スキルを測定するテスト,作成した尺度を含めた質問紙調査を実施し,これらの相関を検討した.その結果,統計的リテラシーの得点と全ての批判的思考スキルの得点に正の相関がみられた.また,統計的リテラシーの得点と尺度の得点には有意な相関がみられなかったことから,統計的リテラシーにおける批判的思考態度を有していても,統計情報を適切に解釈できるとは限らないことが考察された.

  • 福田 麻莉
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43119
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/05/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,数学用語の理解を深める学習方略として,中学生の教科書活用を促す学習法講座を設計し,効果を検証した.具体的には,つまずいた際に教科書を見返すという学習方略の使用と「人に説明できる状態が理解した状態である」という理解観を促進すること,用語の定義と具体例に着目して教科書を読み,それらを説明する力を高めることを目標とした.講座では,説明に関するデモ実験や,教科書活用法の教授,教科書を用いた用語の定義と具体例の説明活動を行った.その結果,つまずきへの対処行動として「教科書を見返す」という回答が講座前後で増加したが,遅延調査では非受講群との群間差は認められなかった.また,人に説明できることを理解と捉える生徒が増加し,遅延調査でも,受講群の生徒は説明できることを理解の姿と捉えていた.遅延テストでは,教科書読解後の用語説明問題における受講群の得点が,非受講群に比べ高いことが示された.

  • 川本 弥希, 石橋 嘉一, 渡辺 雄貴
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43112
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/04/07
    ジャーナル フリー 早期公開

    日本の高等教育の講義における,学生のエンゲージメントを効率的に促進する方法を明らかにすることを目的として,大学生を対象に学習経験レベルの概念に基づいた質的調査を行い,学習経験レベルの向上,低下,停滞に影響を与える要因の違いを検証した.収集したデータのテキスト分析により,学習経験レベルを向上,低下,停滞させる影響要因をそれぞれ抽出した.その結果,学習経験レベルの向上には,学習する科目の興味,価値の認知,学習成果の実感,授業の明瞭性,授業形式,将来との関連性が正の影響を与えていることが分かった.また,学習経験レベルの低下には,科目に対する関心・意欲の低下,他の授業の履修状況が正の影響を与えていることが示唆された.また,学習経験レベルの停滞にも,科目に対する関心・意欲と他の授業の履修状況が正の影響を与えている傾向が見られた.

  • UWC ISAK Japanのサマースクールを事例として
    中野 生子, 田中 聡, 池田 めぐみ, 山内 祐平
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43098
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/03/23
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,国内の中学生を対象としたサマーキャンプを取り上げ,社会情動的スキルに与える効果を,個人特性との関係性に着目しながら検証することを目的とする.UWC ISAK Japanのサマースクールを対象として,基本属性,パーソナリティ特性に関する事前質問紙調査を,社会情動的スキル(Social Emotional Competence Questionnaire)に関する事前事後質問紙調査を実施し,47名の有効回答を分析した.本研究の結果,社会情動的スキルを育成するためのプログラムとしてUWC ISAK Japanのサマースクールは有意な効果が認められたほか,協調性や開放性が低い生徒,また日本人および日本在住者と社会情動的スキルの変化量とに正の相関がみられた.これにより,自由参加型のサマーキャンプにおいては,参加者の個人特性によってプログラム効果の度合いが異なる可能性が示された.

  • 青木 一永
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43109
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/03/18
    ジャーナル フリー 早期公開

    本稿は,直接的・具体的な体験が重視される幼児教育へのICT導入の可能性を探るために視察した,深圳市というハイテク産業都市における公立幼稚園の状況を報告するものである.視察した幼稚園では,すべての子どもがウェアラブル端末を腕にはめ,さまざまなバイタルサインや位置情報が把握されていた.また,保育室にはスマートスピーカーや,カメラ付き大型モニター,AI搭載の小型ロボット,プログラミング教育玩具が置かれ,子どもがそうしたICTを備えた環境に身を置き,かつ,教育として積極的に導入する実態があった.技術的課題や導入効果の検討の必要性等の課題もあるが,ICT導入に関する先進的な取り組みは,今後の幼児教育分野へのICT導入について示唆を与えるものと言えるだろう.

  • 林原 慎
    原稿種別: 研究論文
    論文ID: 43093
    発行日: 2020/06/20
    [早期公開] 公開日: 2020/03/09
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究の目的は,小学生の「総合的な学習の時間」の達成感がどのような要因によって影響を受けているのか,また,どのようなパーソナリティ特性によって影響を受けているのかを明らかにすることであった.小学校5・6年生計239人を対象にアンケート調査し,共分散構造分析を行った結果,教師の「支援の適切性」は「達成感」を直接的,間接的に高めている重要な要因であった.また,ビッグ・ファイブによるパーソナリティ特性のうち,「協調性」は「支援の適切性」に影響を及ぼしており,「統制性」は「支援の適切性」,「情報収集への能動性」,「具体性/一貫性」に影響を及ぼしていた.児童の達成感を高める「総合的な学習の時間」を実施するためには,教師は,適切な助言や学習支援を行う必要があることが示された.また,他の教科や学校生活の中で児童の「協調性」や「統制性」を養うことで,達成感をより高める可能性が示唆された.

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