日本教育工学会論文誌
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電子会議室における議論内容とプロセスを可視化するソフトウェアの開発と評価
望月 俊男久松 慎一八重樫 文永田 智子藤谷 哲中原 淳西森 年寿鈴木 真理子加藤 浩
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2005 年 29 巻 1 号 p. 23-33

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抄録

本研究では, 電子会議室で協調学習を行う学習者の発言データをもとに, そこで各学習者が発言している議論の内容とプロセスを可視化するソフトウェアi-Beeを開発した.i-Beeは任意の期間を単位として, 各学習者がどのようなキーワードをもとに発話したのか, 相互関係をまとめたマップを提示する.また, 過去にさかのぼってマップの変化の過程を確認できる.ある大学の授業で, i-Beeを利用して電子会議室上で議論を行い, その有効性を検討したところ, 学習者がi-Beeを見ることで, 自分自身や他の学習者の議論への関わりや, その時点までの関わりの変化の特徴に気づくことができることが分かった.また, 学習者がこれまで関わってこなかった学習者や話題にアクセスしたり, 議論への関わり方をリフレクションすることを促すリソースとなることが示された.

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© 2005 日本教育工学会
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