日本教育工学会論文誌
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知識経営の考え方に基づく学校教育のための協同折衷的教授設計法の開発(<特集>実践段階のeラーニング)
片瀬 拓弥山本 洋雄六浦 光一大下 眞二郎
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2006 年 29 巻 3 号 p. 319-328

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抄録

教授設計理論は,学習理論が行動主義,認知主義,構成主義,社会的構成主義へと推移する中,より良い学習環境を実現する教授モデルを構築してきた.しかし,近年,教授設計に用いる手法が複雑化している一方,どの手法を組み合せれば最適な学習環境ができるかという方法の模索は,教授設計者の大きな負荷となる.また,教育の様々なニーズに応ずるため,実践的経験を活かし,教育実践者相互間の協同で教授設計する必要性も出てきている.本研究では,知識経営の考え方を活用し,教育実践者相互間の協同による教授設計と,かつ複雑化した学習理論に基づく手法を適切且つ効率的に折衷するという,2つの特徴を有する協同折衷的教授設計法を開発した.次に,本教授設計法により設計したeラーニングを含む授業に対し,認知主義的学習効果の有効性評価を実施した.その結果,授業要素が学習者の習得ニーズに応じ適切に折衷されていることを確認した.

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© 2006 日本教育工学会
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