抄録
本研究では,学校における児童生徒が写ったデジタル写真を対象とする.学級通信等に写真を利用する場合,教師は児童生徒を平等に扱うことを心がけており,例えば,一定の期間内での各児童生徒の登場回数を数える等の配慮を行っている.しかし,個人写真や団体写真など様々な写真が混在しており,この方法だけで平等性を判定することは難しい.このような学校における写真利用の特殊性に対応するために,本研究では,1枚の写真上の被写体ごとに存在感を設定し,各被写体の存在感を利用して,写真群の平等性を判定することを提案する.本稿ではまず,客観的で簡便な項目から存在感を求める予測式を作成した.さらに,存在感の総和をもって,平等性を判定できるかを確かめる調査を行った.その結果,各被写体の存在感の総和が一定範囲内に収まっている写真群は平等であると判断された.