教育学科専門科目「授業研究論1・2」開発事例研究 : 教師の自己リフレクションを用いた授業研究指導の省察

抄録

授業研究を教職志望学生に直接指導する機会は教科教育や教職科目等あるが,分析対象授業の選択・データ採取から事例分析を行う指導カリキュラムはまだ整備されていない.日本女子大学教育学科では2003年度から教育学科専門科目「授業研究論1・2」をこの意図で開講した.指導の眼目は,学生自らが選択した事例を1年間かけて研究し,授業研究を経験し,その意義,方法と課題について基礎的理解をはかり,実践場面に生起する事象の認識と考察を深める基礎を養う点にある.本研究では大学教師の「自己リフレクション」を元に受講生の反応,協力者の小学校教師,大学教師の同僚教師の評価等を照合し考察を行った,そして,(1)受講生の学習成果の確認,(2)学習負担軽減の必要性,(3)協力者の役割の重要性,(4)大学教師の教育的信念の指導への反映,が考察結果として明らかになった.