2011 年 35 巻 3 号 p. 217-226
本研究では,大阪大学で行われてきた授業評価アンケートに関して,回帰二進木分析,相関ルールといった,データ・テキストマイニング技術を用いた分析を組み込んだ授業評価アンケート結果のフィードバックシステムを開発し,システムを利用した教員による評価を行った.その結果,システムを全体としてみた場合,利用者は授業改善に対して本システムが有効であると捉えていることが明らかになった.機能別にみた場合,相関ルールを活用した機能は利用者に有効と捉えられた一方,回帰二進木分析を活用した機能は,高い評価は得られなかった.今回のシステムは全体として授業改善の効果の観点からはおおむね高い評価を得たといえる一方,使いやすさ等に関しては相対的に評価が低かったため,インターフェースを改善していく必要性が示唆された.